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As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

熊本への想い  

 4月に入ってから休む間もなく日々の仕事に追われてた。4月14日も出張していて、ちょうど地下鉄で移動中に熊本地震のニュースを知った。横ずれ直下型の地震で、阪神大震災の時と同様に家屋が無残に壊れている映像を見て、胸の痛む思いがした。その後も余震が続くから気をつけて・・と思ってたら、16日未明にマグニチュード7.3の地震が。14日よりも更に規模が大きく、後にこちらが本震ということになった。ただでさえ被災地は混乱しているのに、何と無情な・・と思わず手を合わせた。
 熊本は九州の中でも好きなところだ。大学生の頃、水俣病の自主検診活動に参加し、有明海に浮かぶ小さな島へ渡ってしばらく過ごした。方便を聞き取るのは難しかったけど、人々の人情は厚く、水俣病という人災に遭いながらも黙って耐えていく気概を感じた。だから、最近に至るまで、九州南部へ行く際にはちょこっと熊本へ立ち寄ることが多かった。3年前、宮崎へ行った時も、熊本駅からバスに乗って高千穂へ。その時に車窓から見える南阿蘇の雄大な風景に感動した。
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 しかし、今はこの地域へのアクセス道路は寸断され、南阿蘇は孤立している。東海大学の学生さんにも犠牲者が出た。素晴らしい環境の中で希望に溢れて勉学に励んでいたであろうに、何ともやるせない気持ちになる。
 熊本市内も多大な被害が出ている。熊本城もその例外ではなく、こちらの記事では現在の様子が記されている。
www.huffingtonpost.jp
 熊本市民にとって、熊本城というのは特別な存在。街の至る所から天守閣を臨むことができ、まさに城とともに生活しているといってもいいくらい。昨年10月に熊本を訪れた際、僕も宿泊していたホテルから目的地の熊本医療センターまで熊本城を見ながら歩いて通ってた。
www.tetsuyaota.net
 結構な距離はあったものの、清正公の築いた石垣などを眺めながらぷらぷら歩いていくのも楽しかったので。その熊本城のシャチホコが落ち、重要文化財の櫓は壊れ、石垣も崩れている写真を目の当たりにすると、本当に残念でならない。ただでさえ被災して物資が足らないところに加えて、熊本市民の心の拠り所まで奪われているようで・・
 昨日、僕の勤務先からも被災地救援のためDMAT(Disaster Medical Assistance Team)が熊本へ向かって出発した。今回、僕はこのチームに入っておらず、後輩医師がその一員として派遣されている。まずは被災された皆さんの健康を守るべく尽力して欲しい。まだボランティアは熊本へ行くことはできず、自衛隊や消防も含めた特殊技能者が活動する時期だ(東日本大震災の時も、熊本から東北へ多くの自衛隊員が駆けつけていた)。その後、熊本の人達をどのように支援していくか、知恵を絞っていきたい。
 個人的に考えているのは、熊本城の一口城主になること(詳細はコチラ)。既に数々の義援金受付先が立ち上がっていて(こちらのブログに一覧あり)、もちろんそちらにも寄付するつもりだけど、熊本城の再建なくして熊本の復興はないと思う。だから、既にある一口城主制度を利用したら、少しでも城の再建に役立つんじゃないかと。ただ、今は現地の行政も混乱しているだろうから、もう少し情勢が落ち着いてからにしようと思ってるけど。
 兎にも角にも、まずは人命救助と直近の被災者支援が必要。今は、頑張って!と言うしかできないんだけど、東日本大震災の時と同様、僕らはいつも熊本の人達とともにあるから。