忘れないうちに、そろそろ宮崎紀行を書いておかねば(笑)。
午前中に何とか外来診療を終え、新幹線「さくら」へ飛び乗って約2時間半、まずは熊本へ到着。その後、前泊地である高千穂行きの特急バスに乗り換えた。この路線、特に観光バスではないんだけど、車窓からは阿蘇山の雄大な風景を見ながら移動できてなかなかグー。熊本から宮崎へ山越えをして、約3時間かけて高千穂へ無事到着。
ホテルは高千穂峡に近い場所にあったため、チェックイン後早速散策に出かけた。坂をテクテク下って行くと、5分程度で高千穂峡の入り口へ。
この時期ちょうどライトアップされていて、なかなか幻想的な雰囲気。
更に通路を下っていくと、見えて来ました、高千穂峡が!その昔、阿蘇火山活動の噴出した火砕流が、五ヶ瀬川に沿って帯状に流れ出し、 急激に冷却されたために柱状節理のすばらしい懸崖となった渓谷。ほぼ垂直に切り裂かれたような岸壁は、他では見ることのできないような景色だ。
上の写真で少し広くなっているスペースが、高千穂峡の絶景ポイント。ここを歩いていると、ちょうどテレビ撮影クルーが来ていて、インタビューよろしいですか?と声をかけられた。どうも、高千穂峡のライトアップを取材しているらしい。ただ、僕としては今さっき到着したばかりで、まだあまり散策できてないものだから、幾分ヨイショ的要素を散りばめながら返答。「いやー、素晴らしいライトアップですね!ここまで来て本当によかったです〜」なんて(笑)。このインタビューは九州でしか放映されないらしいから、まあいっか!って思ってね。
圧巻は有名な「真名井の滝」。ここを中心に対岸からライトアップされてる。かなりの落差で豊富な水量が渓谷へ流れ落ちていく様は、お世辞抜きで来てよかった〜って思える。
そうこうしているうちに辺りは暗くなってきて、今宵の目的地である高千穂神社へ。高千穂はニニギノミコトの天孫降臨神話があるところで、至るところに神社がある。そして、この地に特徴的なのは、夜を徹して三十三番の神楽が奉納される夜神楽。シーズンとしては11月頃からなんだけど、高千穂神社では4番の神楽を抜粋して午後8時から1時間かけて毎日奉納されている。
僕が到着したときには、すでに沢山の人が集まっていた。宮司さんの説明が終わっていよいよ夜神楽が始まる。順番としては(1)「手力雄の舞(たぢからおのまい)」(天岩戸に隠れた天照大御神を見つけ出す)、(2)「鈿女の舞(うずめのまい)」(天岩戸から誘い出す)、(3)「戸取の舞(ととりのまい)」(天岩戸を開く)、(4)「御神体の舞(ごしんたいのまい)」(二神による国造り)で行われる。
基本的に神様に対する奉納行事なので、歌舞伎や能みたいな芸能的色彩はあまりない。でも、横笛や太鼓の音が鳴り響き、舞自体はかなりの迫力がある。
上の写真は「戸取の舞」の1シーン。後ろに見えるのは天岩戸で最後にこれをこじ開けるわけ。1時間はあっという間に過ぎて、古事記に書かれている国造り神話の世界が本当に身近になったような感じがしたね。