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阿房列車ルートにて帰る  

宮崎で所定の仕事を済ませた後、さあ帰りはどうしよう?と考えた。また同じルートを辿るのも芸がないし、トンネルの多い鹿児島からの九州新幹線もイマイチ。ふと思い出したのが、内田百閒の「第一阿呆列車」。この中の「鹿児島阿房列車 後章」で、鹿児島から八代までの肥薩線ルートが書かれていた。そうだ、どうせなら在来線を乗り継いで熊本まで帰ろう!と思い立った。
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時刻表を調べてみると、うまく乗り継げばJR九州が企画している観光列車で帰れるようで、早速指定席を手配。つまり・・・
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宮崎から隼人までは特急「きりしま」、隼人から吉松まで「はやとの風」、吉松から人吉まで「しんぺい」、人吉から熊本までは「SL人吉」という乗換だ。まさに阿房列車ルート!
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肝心の宮崎駅では列車の運行が遅れているとのアナウンスが・・・単線の箇所が多く、ひとつトラブルがあると、すべての列車に影響してくる。最初につまずくと、この計画は水の泡・・・やきもきしながら特急「きりしま」の車内で待っていると、何とか10分遅れて出発した。ふーヒヤヒヤしたぞ。
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隼人駅で乗換。なかなか雰囲気のある駅舎だ。8年前に鹿児島へ行ったときには、隼人駅近くのホテルに宿泊したのを思い出した。そして、ホームに滑りこんできたのは・・・
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はやとの風」!漆黒のボディーが格好いい〜。中に乗り込むと、
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ふんだんに木を使ったJR九州お得意の内装。ノスタルジックな感じだし、落ち着く。否が応でもワクワクしてくる!
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沿線の風景は美しく、途中にいくつか停車しながら、吉松駅に到着。かつては、鉄道の街として栄えたところだ。
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ここから、「しんぺい」に乗り込む。下り列車は「いさぶろう」っていう名前になるんだけど、明治時代の鉄道建設に貢献した江藤新平と山縣伊三郎にちなんだもの。ここからは、「阿房列車」にも記載があるように、急勾配の坂を越えていくために、「スイッチバック」や「ループ」を利用していくもの(鉄道オタクじゃないと何のことやらわかんないよね(笑))。
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全国でも大変珍しい路線で、なおかつ「日本一の車窓」と称される風景が見もの。動き出してみると、とにかく楽しいの一言!美しい緑の中を列車は駆け抜けていき、遠景が見渡せるポイントもいくつかある。
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この日の空は晴れ渡り、霧島連山を臨む「日本一の車窓」をたっぷり堪能できた。この写真には写ってないけど、遠くに桜島も見渡すことができたほど。名残惜しかったけど、「しんぺい」は人吉駅に到着。
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ホームでは今では珍しくなった、駅弁の立売が行われてた。
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人吉の市街で昼食をとることにしてたので、残念ながら断念。駅弁売のおじさん、ごめんね〜
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そして、とうとう真打登場!「SL人吉」です。実際に走る蒸気機関車を見たのは何年ぶりだろう?もう、見ているだけで嬉しくなってくる!
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機関士さんも昔風の制服に身を包んでいて雰囲気満点。暑いなか、一生懸命石炭を窯に入れてた。
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最交尾は展望車になっていて、僕の席はその近く。あっけないほどスムースに発車し、時折聴こえる汽笛を除けば、蒸気機関車に乗ってるようには思えないほど快適な移動。それもそのはず、後で車掌さんに尋ねたところ、客車毎に独立した発電用のディーゼルエンジンが乗っていて、その電力でエアコンが作動している。そのために窓をずっと閉めきっておくことができ、蒸気機関車の出すススなどが客室に侵入することがないわけ。現代の技術を生かして、こういったノスタルジックな列車に仕立て上げているのは見事!感服いたしました〜。列車は球磨川沿いを走行し、これまた美しい風景の連続。乗車していた3時間弱、あっという間で熊本駅に到着。
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基本的にはただ列車に乗ってただけなんだけど、すごく楽しい帰り道でした!大満足!あ、先日手に入れたフェールラーベンの帽子も大活躍でした(笑)。