千頭駅でバスに乗り換えて約25分。SLに乗って煤けた身体をサッパリきれいにしようと思い、山奥の秘湯:接阻峡温泉へ。
近くには寸又峡温泉っていう結構有名な温泉があるんだけど、こちらは温泉街なども特にない鄙びたところ。
遠くに見えるのは、南アルプス接岨大吊橋。静岡県ってどちらかというと太平洋に面した海沿いに位置しているイメージだけど、大井川を北に遡っていくと長野県から連なる南アルプスの赤石山脈へと繋がっている。ここから10分ほど歩いていくと・・・
日帰り温泉施設の「接阻峡温泉会館」へ到着!ここは通称「若返りの湯」と呼ばれているらしく、寸又峡温泉に似た泉質とのこと。入浴料400円を支払って、早速中へ〜
ハイ、僕の他にはお客さんはいない(笑)。貸し切り状態にて、ゆったりと湯に浸かる。噂に違わず、肌にまとわりつくようなヌルヌルとした泉質。若返りの湯と言われるのにも納得!湯温もそんなに高くなく、汗を流すにはもってこいかな。森林浴&日帰り入浴を楽しむのにはオススメです(^^)。2階には休憩スペースもあって、こちらでしばらく湯冷ましをした後に、SLに次ぐ第二の目的である南アルプスあぷとラインの接岨峡温泉駅へ向かう。
南アルプスあぷとラインは、大井川上流の水力発電所を建設するために、資材を運搬するトロッコ鉄道として作られたもの。以前に乗った「黒部峡谷トロッコ電車」と同じコンセプト。で、こちらの売りは一部区間で「国内唯一のアプト式機関車」を使って「鉄道日本一の急勾配」を運転していること。
これが、先頭のディーゼル機関車に引かれて走る列車。客室は左2列、右1列の小ぶりなもの。赤いボディが渓谷の緑に映えて美しい。まずはこの形で出発進行!
しばらくして登場するのがこちらの「アプト式機関車」。先頭に睫毛のついた目が二つ付いててカワイイ。通称「あぷと君」って言うらしい(車掌さんがそう言ってました(笑))。長島ダム駅からアプトいちしろ駅の区間は、1000mの直線距離で90mの高さを上り下りする急勾配。これは、長島ダム建設のために水没した区間を避けて新設されたルート。
通常の機関車ではこの急勾配を走ることができないため、線路の中にラックレールというギザギザの歯型レールを敷設し、そこにラックホイールピニオンという歯車が付いたアプト式機関車で、歯型レールを噛み合わせて坂道を上り下りするシステム。
ディーゼル機関車の前に「あぷと君」が連結され、いざ急勾配の坂道へ!まあ、ジェットコースターほどのスリル感はないけど、同上している車掌さんがテンションマックスのアナウンスをするものだから、こちらの方が楽しかった(^^)。
こちらは、あぷとライン敷設のきっかけとなった長島ダム。結構大きくて、大井川水系で唯一の多目的ダムだそうな。ここから、まだまだ曲がりくねった渓谷を列車は走っていく。
他のトロッコ列車もそうなんだけど、よくこんな断崖絶壁に線路を敷設できるなあと感心する。そして、渓谷にかかる数々の橋にしても、あんな高いところにどうやって作るんだろう?って思う。日本の建設技術って本当に凄いよね〜。そのおかげでこういう美しい自然を見ることができるわけだし。
バスならたった25分しかかからないところを、あぷとラインは1時間あまりかけて走行。でも、車窓から眺める風景は他では得難いものがあった。ということで終着駅の千頭へ戻り、SL〜南アルプスあぷとライン乗車の鉄ちゃんショートトリップは終了〜(^^)。