医療技術の進歩は日進月歩。新しい技術が登場すると、手術術式まで大きく変わってくる。最近のトピックスは立体映像で、今日は3D画像を映し出すことができる最新式の内視鏡を使って手術を行った。
映画「アバター」とかは迫力感を増すために、目の前に飛び出てくるような映像だったけど、手術用の3D映像は逆に画面の向こう側への奥行き感が出るように調整してある。ロボット手術用の機械「ダ・ヴィンチ」では3D体験したことはあったものの、通常の内視鏡手術に当院で導入したのは今日が初めて。いつもの平面的な2D画像とは異なり、すごくやり易い!手術時のストレスが格段に軽減されていて、これでまた外科医としての寿命が少し伸びたなとほくそ笑む(笑)。というのも、昔の外科医というのは老眼になって視力が落ちるとメスを握れなくなると言われたもの。最近では、大画面の内視鏡映像を見ることができるので、視力は関係なし。これに微細な3D映像が加われば鬼に金棒。最近流行りの、ハイテクで武装する老人ってわけね(笑)。
自分の手術が終わった後、同じ3D画像を使った別の内視鏡手術を見学。ちょうど、後期研修医の先生たちも手術見学に来てて、皆で同じ画面を注視してたんだけど、お互いの姿を見合ってつい吹き出した。3D画像を見るために特別なメガネをかけてるんだけど、手術室の中ではとってもアヤシイ雰囲気(笑)。皆大真面目で真剣に見ているはずなのに、マスクにキャップ姿で腕組みしたりポケットに手を入れてたりして、なんかヤンキーが格好つけてるように見えない?ちなみに、左手前は手術付きの看護師さんで、他5人の中に僕も写ってます。さあどこにいるでしょう?(笑)