ホイットニー・ヒューストンの突然の訃報を聞いてから3日が経過した。昨晩のグラミー賞授与式はさながら追悼ライブの様相だったし、改めて偉大な女性ボーカリストを失ったんだなと思う。ケビン・コスナーと共演した映画「ボディ・ガード」の中で歌われる「I Always Love You」が彼女の代表曲ではあるけど、僕は1985年のデビューアルバム、邦題「そよ風の贈りもの」が一番好き。彼女とはほぼ同世代だし、このアルバムは文字通りすり切れるほど聴いた。一聴するだけで、あの頃の思い出が蘇ってくる。「Saving All My Love For You」「How Will I Know」「All At Once」「Greatest Love Of All」など、これこそ80年代ポップスの王道というような名曲がずらっと並んでいて、個人的にも随分影響を受けた。こういったキラキラ系のピアノ伴奏をさせたら、このあたりでは右に出るものがいないと言われるくらい(冗談じゃなく、そう言われてた(笑))。
そして、何よりアルバムジャケットがいい。別に変な意味で言ってるのではなく、褐色の肌に真っ白な水着が映えていて、肌の色など関係なくスタイリッシュ。黒人音楽が持っている暗さみたいなものとは全く無縁な感じで。ただ、それが後に彼女の音楽キャリアにおいて、マイナスポイントになったのは皮肉なことだけど。
ただ、名曲・名演というものはいつまでも語り継がれるもの。この世から去っても、彼女の歌声はずっと聴き続けられると思う。そして、天上の世界には、きっと彼女の歌声がマッチするにちがいない。