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Oui! Friends..

As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

なら瑠璃絵  


 大阪の駅構内で、たまたま見つけたイベントがこちら、「しあわせ回廊 なら瑠璃絵」。最初見た時には何のことやらわからなかったんだけど、観光客が少なくなる冬場に奈良の寺社をライトアップするイベントらしい。まあ、ライトアップそのものにはあんまり興味がなかったけど、興福寺春日大社の夜間拝観もできると知って、昼の学会予定を済ませてから行動開始。
 大阪難波から奈良までは近鉄を利用すると40分少々で十分通勤圏だ。駅の窓口で特急券を手に入れ、ビールとおつまみを買い込んで奈良までの小旅行と洒落込む。ちょうどロング缶一本飲み干したところで奈良に到着。

 予想はしていたけど、ちょうど寒波が到来していたためかなり冷える。おまけに雪がちらつき始めた。ホッカイロを握りしめ、とりあえず近鉄奈良駅から興福寺まで徒歩で移動。

 5分ほど歩いただけで興福寺へ到着。ライトアップされた五重塔と、夜空に粉雪の舞う様は何とも言えず美しい。そして、有名な阿修羅像を夜間拝観するため、お目当ての国宝館へ。

 午後6時半くらいだけど辺りは真っ暗で、館内の照明も落としてあるため、まさにナイトミュージアム状態。そんな中、奈良から鎌倉時代に作られた仏像が沢山展示してあるので、ものすごい迫力だ。間近で見る阿修羅像の表情は何か少年っぽく柔和な感じ。そして、阿修羅像を含む乾漆八部衆立像は素晴らしいの一言に尽きる。それに加えて、木造金剛力士立像は筋骨隆々としていて、まるでギリシャ彫刻のよう。その後東金堂も見学して、巡回バスで新公会堂へと移動した。

 新公会堂周囲の広場には、瑠璃色のライトアップが設置されている。神戸ルミナリエとかの西洋的なライトアップではなく、額田王とかが出てきそうな「まほろば」チックなもの。

 鉾や勾玉をイメージしているのかなあなどと考えながら本部近くに到着すると、ちょうどボランティアのガイドさんが春日大社へ案内してくれる夜間参拝ツアーが出発するところだったため、急遽参加。

 こんな提灯を渡されて、皆でゆっくり歩いていった。

 というのも、参道脇には行灯みたいなものが設置されているんだけど、基本的には真っ暗なので、この行灯がかなり役立つ。ところどころ本気のライトアップがあって、一番華やかだったのがココ。ミラーボールに光が反射して、光の雨が降っているような感じ。

 ただ、ここを過ぎると街灯などは勿論ないため、両脇に並んでいる灯籠の灯りのみ。ひとつひとつ蝋燭を灯しているらしく、電気のない時代はこんなだったんだろうと想像される。

 そして、立ち並ぶ石灯籠が何とも言えない雰囲気を醸しだしていて・・ひとことで言えば、「怖い」(笑)。興福寺もそうだったけど、人気のない寺や神社は、亡霊や怨霊が出てきそう。昔の人が魑魅魍魎を信じたのもわかるような気がした。

 底冷えのする中、ようやく春日大社本殿近くまで辿り着いた。鳥居の前では一礼してください・・参道の真ん中を歩かないように・・というガイドさんのアドバイスを聴きながら本殿へ。
 本殿周囲の回廊にはおびただしい数の燈籠が並んでおり、幻想的な雰囲気。

 暗かったので写真がいまいちなんだけど、一つ一つの燈籠に様々なデザインが施してある。ここは拝観料がいるんだけど、見る価値は十分あり。

 本殿に参拝した後、再度本部のある新公会堂まで戻ってみると、庭園の前でジャズの生演奏が。ピアノとベースデュオだったんだけど、氷点下に近い気温の中でよく演奏するもんだ!とびっくり。でも、古都のライトアップにジャズはちゃんとマッチしていたね。

 約2時間半戸外を歩いたため、身体の芯まで冷え切って近鉄奈良駅に戻ってきた。構内に設置された「せんとくん」が愛らしく、少しほっとする。

 時間の関係で、東大寺まで行けなかったのが心残り。でも、物好きな(笑)僕的には十分満足いくイベントだった。また、奈良を訪れるチャンスがあればいいんだけど!以上、「なら瑠璃絵」レポでした。