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As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

大塚国際美術館@鳴門  

 台風18号が接近しているためか、朝からの雨。外出するのも億劫だし、こういう時を利用して、引き続きの徳島二日目レポを。かなり長い文章になるので、各方、ご注意召されい(笑)。
 仕事を終えて向かったのは鳴門。別に渦潮が見たくてたまらなかったわけではなく、お目当てはここ、大塚国際美術館
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 入り口は山の斜面にあり、正面から建物の姿は見えない。直島の地中美術館のように、地上2階を除く、地下3階部分は地中に埋められている。長いエスカレーターを昇り、まず最初に目に飛び込んでくるのが・・・
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 ローマのバチカン市国内にある、システィーナ礼拝堂のレプリカ。そう、この大塚国際美術館は世界中の名だたる美術品を、独自の技術を用いて陶板に転写した約1000もの作品を展示しているところなのだ。いわゆる複製品ではあるものの色彩の再現性は素晴らしく、おまけに全てが原寸大であるため、直接目にしたときの臨場感は半端ない。僕もローマに行った時に本物のシスティーナ礼拝堂を訪ねたけど、入館するまで列に並んで随分待って、中も観光客ばかりでゆっくり見られなかったのを覚えてる。天井を見上げると、ミケランジェロがほぼ一人で描き上げた「天地創造」の作品群が。一つ一つ丁寧に描かれているのは勿論のこと、そのスケール感に圧倒される。もう、ここだけ見ただけでアナザー・ワールドに入ったよう。
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 こちらはエル・グレコの大祭壇。ナポレオン戦争で個々の祭壇画が散逸したものを、元の形に復元したものだ。先日訪ねた東京都美術館のエル・グレコ展でも一部が展示されていたけど、こうやって全体像を見ると、宗教画として綿密に構成されてたのがわかる。
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 これは、北イタリアパドヴァにあるスクロヴェーニ礼拝堂内に描かれたジョットの壁画。壁画の背景となる目の覚めるようなブルーが美しい。
 ここまで書いてくると何となくわかっていただけると思うけど、建物内に描かれている壁画とかは基本的に移動させらないので、現地に行かないと見られない。でも、いわゆるナンチャッテレプリカではなく、ここまで本気の複製をされると作品の持つ表現力の何分の一かだけでも味わうことができて十分満足できる。
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 古代の作品群も同様。ほとんどが壁画であるため、作品の保存状態を保つことが難しく現地外への持ち出しはほぼ不可能。こちらは火山噴火で埋没したポンペイで発掘された「秘儀の間」。この壁画が紀元前70年頃に作成されたそうだから凄い。
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 同時期に描かれた通称「パン屋の夫妻」というフレスコ画。日本で言えば弥生時代に、ここまで繊細な絵が描かれていたことに驚く。ギリシャ・ローマの文化というものが相当ハイレベルにあり、その伝統が後の西欧文化に引き継がれているのだと改めて感心。決して西欧かぶれしているわけじゃないけど、中世〜ルネサンス〜近代〜現代に至るまで、芸術面において我々が学ぶべきものは多いと思う。
 他にも数々の作品があるんだけど、書きだすとキリがないので最後にこちらを。
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 ピカソゲルニカ。以前マドリードに行ったときには、ゲルニカが展示されているソフィア王妃美術館が工事のために閉鎖されていて、残念ながら現地で見ることができなかった。レプリカと言えど、やはり原寸大なので迫力満点、胸のつかえがとれたような感じ。
 ここまで駆け足で見ていっても約2時間を要し、美術作品だけでお腹いっぱい。昼時はかなり過ぎてるけど、やはり何か食べておかないと・・と思い、テラスへ出てみる。
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 左手には大鳴門橋の橋脚が見え、美しい庭園の右手にあるレストラン・ガーデンへ。
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 いつもB級グルメばかりアップしてるから、たまにはこういったお洒落なものもいいでしょ(笑)。レオナルド・ダ・ヴィンチにちなんだ特製「最後の晩餐」ランチ。徳島産の白身魚とビーフ、野菜を素材とした一品。自家製パンと赤ワインを添えて「最後の晩餐」というわけ。晩餐なのにランチっていうのが何となく面白いけど、ソースも優しい味わいで美味しゅうございました!
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 最後は鳴門海峡の風景を。美術館テラスから鳴門公園側へ10分ほど歩いていくと、眼前にこの風景が拡がる。満足度100点以上の大塚国際美術館@鳴門でした!