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Oui! Friends..

As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

明日への希望

 最後のミッションとなる朝4時からの救急診療支援を終えた。何とか自分に与えられたミッションを最後までこなせたことで、少し安堵している。昨晩、大阪から2チームが到着し入念な申し送りを行う。疲れの見える我々とは異なり、何かしたいという元気に溢れている。ああ、この人たちに託していけば大丈夫。そうやって支援を繋げていくことが大事なんだと思った。
 今回は診療支援にやって来たわけだけど、逆に色々と教えられることが多かった。まず、自分の出来ることは非常に限られていること。それは能力的にも、肉体的・精神的なコンディションの面でも。いつもとは異なるプレッシャーがかかる中で、火事場のクソ力みたいなものに期待をしてはいけない。プロとしてできることを淡々とこなす、そしてそれだけにとどまらず、プロの目で見て自分にできることを探して着実に遂行する、そういった基礎体力みたいなものが必要だと実感。
 次に、自分の限界を知ることでどうやって協力体制を創り上げるか。まずは小さなチームづくりから始まり、積極的にコミュニケーションをとり、チームとしての力を上げていく。あくまで自分はチームの一員として動きつつ、全体をも見渡す。そして、今度はそのチームが集まってもっと大きな組織的行動をとることができるよう、もう一段上のレベルで情報共有をしていく。
 今回、医療だけではどうにもならない問題にも数々直面した。こういった問題に対処していくためには、底辺からの情報を積み上げていき別な部署、特に行政すなわち政治を動かしていかなければならない。専門組織として行動することも大事だけど、市民のひとりひとりが声を出し、できるだけの協力をしていくことで、明日に繋がっていくと思う。
 今日で仙台を離れるんだけど、そうすれば僕もまた一市民に戻る。今後も、何か自分に出来ることを探していきたい。
 被災地の皆さんの、今後のご健康を祈ります。