先日ルネスホールへ支払いに行ったときに見つけたチラシ。何々オテロとな?これは、イタリアオペラの作曲家ヴェルディの作品じゃないの?で・・?カラヤン指揮のベルリン・フィル?え・・?カラヤンってもう亡くなったはずだけど・・・
と、色々とハテナマークが頭の中に浮かんだんだけど、すぐに疑問は解消。これはスクリーンオペラの「オテロ」だったわけ。オペラって大掛かりな舞台装置もさることながら、オーケストラはもちろん、沢山の歌手を集めて行うものだから、そうたやすく見られるものじゃない。チケットもバカ高いし。
海外には常設オペラ劇場があって、シーズン中であれば毎日同じ演目をやってるんだけどね。僕も、ウィーンの国立歌劇場とニューヨークのメトロポリタン歌劇場には行ったことがあるんだけど、そう安々と行けるはずもない。
そうとなれば、こういう映画でオペラを見る、そして演奏も有名どころのベルリン・フィル、演目はシェークスピアの四大悲劇のひとつ「オテロ」となると興味が湧く。場所は県立美術館ホール。
上映開始ギリギリの夕方5時に会場に入ると、ステージに若干小さめのスクリーンが。そしてその脇にスピーカーが二つ。通常の映画館に比べて明らかにショボい。これで大丈夫なんだろうか・・と少し不安になる。
ホール内が暗くなり、荒れ狂う海と波間を漂う帆船が映し出される。こういうのは映画ならでは。劇場だとそうはいかない。そして、思った以上に大迫力の音。特にオテロが登場するシーンは大迫力でしびれた。
スクリーンは小さいものの、基本的に登場人物の顔アップシーンが多いため全然気にならない。日本語字幕がついてるので、どういう内容を歌っているのかもよくわかるし、歌手の表情からも心の動きが読み取れる。そして、歌手もオーケストラも本物だし、なによりヴェルディの曲がいい。美しさと激しさが同居してる。やっぱり、ぼくはワーグナーとかの重厚な歌劇よりはイタリアものが好き。表現も大げさだし、何で死ぬ間際に歌えるわけ?っていうようなところもあるんだけど、そこは歌舞伎と一緒でそういう様式美。いつのまにかオペラ的世界の中に引きずり込まれている。
ただ一つ難を言えば、映画なもんで幕間が全くないこと。一挙に2時間20分の上映でラストまで。幕間にワインを飲んだりして一息入れるのもオペラ的楽しみなんだけど〜(笑)。