「システム」と「個」を考えるとき、都会の摩天楼はまさに「システム」そのものだ。それぞれが権力の象徴だし、「個」を畏怖させる威圧感を持っている。そんなビルの谷間には、どこか冷たい風が吹いている。
いつもならこんなふうに思うはずなのに、汐留の高層ビル群をつなぐペデストリアンを歩いていて、これまでにない心地よさを感じた。それは、香港や上海で感じる違和感とは対極にあるものだった。
街全体をきちんとデザインする。ただのビジネス街ではなく、そこに居住する人たちの暮らしも含めて・・・
各々のビルが我こそはと主張することなく調和していることが、coolなデザインの中に、心地よさを生んでいるのだろう。
きちんと「個」のことを考えた「システム」を、「個」が創り得るんだなと思った。