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Oui! Friends..

As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

あとのまつり vol.2

 OJFが終わったら,普通のブログっぽく,短めの文章と写真でお洒落に記事を構成しようと思ってたんですけど(ほんまかいな),前回も「こいー」内容になってしまいました(笑).おまけに,僕の記事にも増して,もっと「こいー」コメントをいただき,誠にありがとうございます.まるで家臣が増えたみたいで心強いです(笑).さて,今回は「あとのまつり」第2弾を江戸っ子ふうにお届けしましょう!
 
 9月23日の日曜日,おかやま国際音楽祭セレモニーの翌日だぁ,冗談じゃねぇぜ!べらんめぇ.朝8時半から岡山城天守閣まで来いってんだからよぉ.9月だってぇのに,お日様はかんかん照りだし,入道雲は出てるし,8月と変わらねぇじゃねえかってことよぉ.こちとら,「秋のももたろう祭り」ってぇのによぉ,おいらのリーダーバンドで出演することになってたんだ.チキショー.久々のピアノトリオ+1の演奏で,前夜遅くにリハーサルしたもんだから,眠くってしようがねぇや.なあ,兄弟!

 岡山城天守閣前ってぇのはなぁ,確かに雰囲気は抜群なんだよぉ.だけどなぁ,まったく風が吹きゃぁしねぇ.そもそも天守閣前広場ってぇのは,お殿様がいる天守閣から見たら南向きで日が差して眺めのいい場所なんだよ.だけど,広場の方から天守閣を見上げるとあべこべよぉ.お殿様からはなーんでもお見通しってなくらい,お天道様をさえぎるものがなーんにもねぇときたもんだぁ.てやんでぃ.「秋」のイベントだろう?え?でも,どこにも「秋」を感じるものはねぇんだよ.ただ,とんぼが沢山飛んでたぐらいだぜ,こちとら,長渕剛じゃねぇんだからよぉ.

 それに,おいおい,ジャズだぜ,ジャズ.リハーサルが終わって,1個目のバンド:ペイジワンの演奏が始まったのが朝の10時だぜチキショー.さすがに,ペイジワンのリーダーも,「わてらも,こんな早い時間にジャズ演奏したのは初めてでんな」とか言ってて,メンバー紹介するのも忘れてたぜ.え?なんでここだけ関西弁かって?そんなつまらねぇことは言いっこなしだぜ.こちとら江戸っ子でぃ.こまけぇことなんざぁ,気にしちゃぁやってられねぇんだ,べらんめぃ.

 2番目は,フェリーぺ中村の兄貴が11時から登場だぁ,チキショー.でも,まだ午前中だってぇのに,ますます暑くなってきやがってよぉ.中村の兄貴はラテン音楽やってるくらいだから,暑さには強いんだよ.ステージ上でも,汗を拭きつついつものペースで演奏してるんだが,いけねぇな,お客がまいっちまった.やはり,ここは岡山なんだ,ブラジルじゃねぇんだよ.お天道様が,このときとばかりに強烈に照りつけるもんだから,お客がステージ前からいなくなっちまったじゃねぇか.皆,ちょっとした木陰を見つけて,そこに引っ込んじまったよ.おいおい,かくれんぼしてんじゃねぇんだから,出てきなよって言いたかったね.

 おいらのバンドはその次で,昼の12時からだよ,お立ち会い!普通なら中村の兄貴んとこよりもっと暑かっただろうに,やっぱりお天道様は見てるんだよ.日頃の行いってやつをよぉ.少し日が陰ってきて過ごしやすくなってきやがった.すかさず,おいらはステージ上で喋ったよ.「お天道様ありがとよ.恩に着るぜ」ってね.木陰に引っ込んだお客も,またステージ前に戻ってきてよぉ,ありがてぇ話じゃねぇか.今回は全曲オリジナルだったけど,割合拍手もきちまったぜ.江戸っ子の気合いってぇのをわかってもらえたのか,お天道様のおかげか,そこんところはわからねぇけど,気分よく演奏させてもらったよ.

 でも,いまから考えると,まだ「嵐の前の静けさ」だったんだな,これが.5曲演奏して,最後は「Lost decade」って曲で,おいらは自分で作った曲名の由来をマイクで喋ってたんだ.「失われた10年というお題でぇ」とか何とか言ってたら,ステージ横の関係者筋から「雨?」とか言う声が聞こえるじゃぁねえか.「ちょいと聞くけど,雨が降ってきたのかい?」と客席に尋ねたら,「いや,大丈夫でぃ.雨なんざぁ降ってやしねぇぜ」と威勢のいい返事が返ってきたんだ.
 それならってことで演奏をし始めたら,最初のテーマをトランペットの野郎が吹き終わるかどうかってときに,いきなり大粒の雨が降りだしやがった.そう思う間もなく,その雨は見る見るうちに嵐のような暴風雨に変わっていきやがったんだよ,べらんめぃ.

 これはてーへんなことになったぜ,トランペットの野郎も早めにソロを終わりやがれと思ってたら,野郎,気にせず2コーラス目のソロを吹き始めるじゃねえか.これには,さすがのおいらもあわてたね.ピアノの廻りにも雨が降り込んできて,ステージ係のこわもての兄さん(こいつは,いわゆるスキンヘッドってやつだったぜ)がいきなりビニールシートをピアノにかけ始める始末さ.ベースとドラムの野郎どもとも顔を見合わせて,おいらは1コーラスだけソロをはしょって弾いたわけよ.

 大雨の中,濡れながらでも演奏を聴いててくれたお客もいたし,最後までおいらの演奏をビデオに撮ってくれたOJFのY兄貴もいたね.本当に,この人たちには足を向けては寝られねぇよ.心からありがとよって言いたいね.

 何とか最後まで演奏することができて,おいらも「まさに嵐を呼ぶ演奏だぜ」なんておふざけを言ったりしたんだけど,大雨の中客席には誰もいやしねぇ.それくらいの激しい暴風雨だったんだよ.結局,次のカウントハードの演奏は中止になったんだが,ペイジワンのメンバーからは,「こんな嵐のような風雨の中,最後まで演奏してる姿がかっこよかったっすー」って軽いメールがベースの野郎に届いてよぉ,冗談じゃねぇぜ,こちとら,ハラハラドキドキもんだったんだからなぁって思ったわけよ.

 ただ,雨が少し小降りになったときに,さっきのスキンヘッドのこわもて兄さんがぽつりと言ったのさ.
「これで秋が来るなあ」ってね.
 兄さん,こんなとこでメルヘンしててどうすんのさ!って思ったけど,そんときはもう「あとのまつり」だわね.

 ってなわけで,お後がよろしいようで..