さてさて,昨日は少し脱線してしまいましたが,書きたかった内容というのはですね.「銅版画ってどんなだろう?」ってことなんですよ.そんな,銅版画展を企画しておいて,今更それはないだろう!と怒られるかもしれませんね(スンマセン).ただ,葛飾北斎や写楽などの浮世絵でもそうですが,我々が見るときの版画ってすでに「絵」になってるじゃないですか?正直言って,ある特殊な技法やタッチで書かれた絵っていう感じがするんですよね.
山本容子さんの銅版画も,独特の風合いがありますよね.(作品はホームページ上のweb美術館で見ることができます)今回も「ジャズmeetsアート」に「Sing, Sing, Sing」(ポスターの背景になってるもの)の原画を展示していただくことにしているんですが,この原画って絵に描いたものなの?あるいは銅版画で刷った本当のオリジナルなの?と漠然と疑問に思ってました.
それに,よく考えてみると版画って自分が彫ったイメージと,刷りあがったものって左右が反対になりますよね.いわゆる鏡像ってやつです.小学生の頃に年賀状をつくるのに芋版を作ったことがありますが,「賀正」と彫るのですら,めちゃめちゃ難しかったのを覚えています.でも,山本容子さんの「Jazzing」にはジャズのスタンダード曲の歌詞が銅版画の中にちりばめられていますから,もしかしてこれ全部文字を反対に彫ってるわけ?と素人ながらの疑問が湧いてくるわけです.
先日,「ピカソ展」を見に行ったときも,ピカソが沢山の版画を作っていたのを初めて知って,かなりびっくりしました.描かれているのは,ちょっと教育上よろしくないような内容が多かったのですが(笑),あれだけの絵を描いて,なおかつ陶芸・版画までするとは・・と天才の仕事に感心した次第です.
(On-Line Picasso Projectより引用)
で,また元に戻るんですが,銅版画ってどうやって作ってるんだろう?ただ絵を描くのと違って面倒な工程がが沢山あるのじゃないかなと素朴に思ったんですね.そういう疑問に関して,山本容子さんがホームページにてご自身の銅版画制作過程をアップしてくれています.リンクはこちらなので,こちらも是非事前に目を通しておいてください.
実際に写真入りで制作過程を見てみると,思ったよりも大変なんですよね!(すんません,素人同然で・・・)ただデッサンして,その上に色をつけてといった単純な作業じゃあないんですね.それから,原盤から最初の版画が刷り上がる瞬間って,ご本人も書いておられますけど,かなりドキドキしますよね.トイザらスのマークみたいに,ひとつだけ文字が反対向きになってたら台無しですもんね!(すんません,しょうもないこと考えて)
とまあ,こんな背景を考えながら,山本容子さんの作品を見て欲しいんですよ.そして,作品を見ながら色々な思いを巡らし,ご本人はどんな人なんだろうなあって想像しながらイベントを待つって素敵な時間だとは思いませんか?