ギリシャ行きの連作もそろそろお腹一杯になってきましたよね(笑).今週は平常通り仕事をしているわけで,OJFのことも含めて別なことを書かないといけないし,一応本編でギリシャは千秋楽にいたしますので悪しからず・・
ギリシャ滞在中に日々起こったことを書いてると,かなりの分量になるんですよ.それほど,結構濃密な時間を過ごしたということですが,旅というのは本来そうあるべきものなのかな?と疑問にも思います.何もするでもなく,ゆっくり時間が過ぎていく,本来的な旅の時間というのはそういうものではないかなとも思います.
というのも,ミコノス島に行ったときに色々なことを考えさせられたんですよね.今回はそんな雑感も含めて書きますね.
そもそも,ギリシャ行きに関してはあんまりちゃんとした計画をたててなくて,まあ現地に行ってから考えようと思ってました.アテネ市内は少し見て廻るとして,どこかで時間が空いたときにエーゲ海クルーズみたいなミニツアーに行ってもいいかなと漠然と考えてたんですね.
しかし,大学の仲間と落ち合って,後輩のちょいメタボI君が「エーゲ海にばしゃーっと飛び込む自分の姿を写真に撮って欲しいんですよ.子供の頃に見た「エーゲ海に捧ぐ」っていう映画のイメージで!」って妙なことを言いだしたんです.(池田満寿夫作の「エーゲ海に捧ぐ」って小説の方は芥川賞をとりましたが,映画の方は映像は美しいものの内容はちょっときわどかったです.それがどうも少年I君の心の中に「エーゲ海とはそういうものだ」という強烈な印象を残したようです(笑))
それで,アテネで日本語の通じる「マリソル」という旅行会社に行き,急遽ミコノス島に行ってみることになりました.ミコノス島というと,「エーゲ海に浮かぶ白い宝石」として有名ですよね.白い壁の小さな家が迷路のように立ち並ぶミコノスタウンが,よくカレンダーやジグソーパズルの図柄になっています.アテネから飛行機で40分程度,ほどなくしてミコノス島に到着しました.
旅行会社の人はCクラスのホテルですよと言ってましたが,僕らにはもったいないくらいのいいリゾートホテルでした.早速ミコノスタウンまでバスで移動し,定番の「カト・ミリの風車」から順番に街の中を見ていきました.
朝食が遅かったため,昼はフェリー乗り場近くのタベルナでまたまたビールを飲んだ後,
I君の希望どおりホテル近くのプラティス・ヤロス・ビーチへ出かけました.
間近で見るエーゲ海は本当にきれいでしたね.海水の透明度は高く,砂の一粒一粒までよく見えます.水着は持ってきてなかったのですが,もう二度とエーゲ海には入ることができないかもしれない!と思い,ビーチショップで水着を買った後にエーゲ海で泳いでみました.海水の温度は低くひんやりしてました.直射日光を浴びた後に海に入って身体を冷やし,空気が乾燥しているので海から上がると全然べたべたすることなく身体がすぐに乾きます.これは欧米人がこぞってリゾートにくるはずだと思いました.
廻りはリゾートしている欧米人ばかりで,皆ゆったりとビーチチェアに寝そべって本を読んだりしてます.ビーチサイドのカフェやレストランでは,穏やかに話をしています.本物の,リゾートの時間がここには流れていました...
夜はまたミコノスタウンへ出かけて,海の見えるレストランで食事をしながらサンセット(日没)を見ようということになり,リトル・ベニスというレストランに陣取りました.
サンセットを見るには特等席ではあったものの,僕らが行った時間帯には西日を直に浴びる場所で,また「サムライ日本魂」を試されることになってしまいました(笑).強烈な西日を浴びながら暑さに耐え,白ワインを3本飲み干し,エーゲ海の海の幸を平らげつつ
とうとうサンセットの瞬間がやってきました.太陽がエーゲ海へ沈む瞬間,廻りのギリシャ人から歓声が上がり,お店の人も「お前達日本人は西日の暑さにも負けず,よく頑張ったな」という目で微笑んでくれました(笑).
アテネの街にせよ,ミコノスタウンにせよ,欧米人,とりわけギリシャ人は本当に生活を楽しんでいます.昼はシェスタ(昼寝)をし,夕方から街に繰り出し,屋外席のタベルナでお酒を飲みながら食事をして語り合う.毎日がフェスティバル状態です(笑).そこでは携帯メールなんかをしている人は一人もいません.目の前の人と大きな声で話をし,些細なことでも笑いあったりしている.そんな,人間としてごく当たり前の姿がそこにはありました.
ミコノスの街で食べて飲んでると,日本であくせく働いているのがばかみたいに思えます.時間に追われ,クレーム処理をし,ストレスばかりの毎日.それでも,働くことすなわち人生だみたいな感じで日本人は生きてますよね.働かないと給料をもらえない,お金がないと何にも好きなことができない,だから我慢して働かないといけないという三段論法です.だけど,頑張った人は何かご褒美に楽しいことがあったらいいし,頑張らない人もそれなりに楽しく過ごしていれば,皆ハッピーに生きられるのになあ!って思いました.まずは自分から楽しもうという姿勢が何より大事ですよね.
俺はハッピー!お前もハッピー?じゃあ,俺たちみんなハッピーだぜ!!ってわけです(笑).ギリシャに行って一番よかったのは,地中海の太陽のもと,ひとりでに気持ちが浮かれてきて笑顔になれることでした.コミュニケーションがあまりできなかったり,僕にとっての課題は結構見えたのですが,単なるリフレッシュではなく,ハッピーな環境で大昔にソクラテスやプラトンが悩んだように生きることについて考えることができました.そんなチャンスを与えてくれたギリシャ・ミコノスに感謝!の旅でした(終).