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Oui! Friends..

As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

暗くても


 震災後、東日本では節電を余儀なくされ、街全体が暗くなっている。ただ、怪我の功名というべきか、それはそれでいいんじゃないか?という評価も結構ある。昭和初期、既に谷崎潤一郎が「陰翳礼讃」で書いているように、欧米に比べて日本の都市は明るくなりすぎた。東京全体に電灯が普及したのが1912年頃(第一次世界大戦の2年前)だから、恐らく、明治以前の夜が暗かった反動だろう。24時間営業のコンビニが各所にあるのも、昼間と同様の便利さと共に過剰なまでのサービスを追求する日本人の性癖が影響しているかもしれない。
 そう思って以前訪ねた諸外国で撮影した写真を見てみると、結構暗いな〜と感じる。というのも、夜の写真が露光不足でブレまくってるし(笑)。上の写真はアテネ中心部、夜のシンタグマ広場。後ろに見えるのはギリシャの国会議事堂で、主要な地下鉄駅もあるところ。それなのに、かなり暗い。観光用のライトアップもなし。でも、そんなことはお構いなしとばかりに沢山の人が集っている。
 結局、人は何か目的があれば集まるもので、男女の出会いなどはちょっと暗いくらいがちょうどいいのかも。ローマの休日で有名なスペイン広場なんて、まさにそうだもんね。「夜目遠目傘の内」。昔の日本にもいい言葉があったんだから。