今週の木曜、テレビ東京系各局で「幸せの黄色いハンカチ」デジタルリマスター版が放映された。先週末から働き詰めでかなり疲れていたので、この日は少し早めに仕事を終えた。たまたまテレビを見てみると若き日の高倉健、武田鉄矢、桃井かおりの姿が。この映画、以前にも見たことあるんだけど、今の時期だけについ画面に見入ってしまう。
ストーリー自体は山田洋次監督作品らしい、シンプルに心温まるもの。倍賞千恵子が登場する場面では目頭も思わず熱くなる。しかし、映画全体を現代的な視点で見てみると日本にもこのように優れたロードムービーがあったのかと新鮮な驚きを覚える。そして、1970年代後半の北海道夕張炭鉱をとらえた風景にはある種の哀しみが漂いつつ、その中で必死に生き抜く人々の姿が描かれており、ああ、戦後の日本はこういうところから必死に立ち上がってきたんだと改めて思い知らされる。
平日木曜の午後8時から2時間と比較的変則的な時間帯での放映。先行き不透明な今こそ、今後の道筋に関して何かヒントをもらえるような気がする。そう考えてのことかどうかはわからないけど、とりあえず粋な放映をしてくれたテレ東が、結構好きになった。