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As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

チェ 28歳の革命

 久々に映画館へ足を運んだ。2部作で、すでに後編が上映されているが、まずは前篇の「チェ 28歳の革命」。

 アルゼンチン人医師でありながらキューバ革命に参加した、エルネスト・チェ・ゲバラの生涯を、スティーヴン・ソダーバーグ監督、ベニチオ・デル・トロ主演で映画化したもの。
 メキシコでフィデル・カストロと出会い、ゲリラ戦を戦いながらキューバ革命を成し遂げるまでが、前篇「28歳の革命」。特にクライマックスをつくることなく、ドキュメンタリータッチで淡々と映像が流れ、従軍医師として参加したチェ・ゲバラが徐々に戦士〜司令官〜革命家へと変貌していく様子を、リアルなタッチで描いている。

 「革命−revolution」というと、以前は刃のような言葉だった。それをひとたび口にするだけで、もう後には引き下がれない、何か身が引き締まるような思いがした。
 今では、改革と叫ぶ者はいても、革命を口にするものはいない。社会は十分に成熟し、この構造を根底から覆すことなど、とうてい無理に思える。

 ただ、映画の原作となったゲバラ著「革命戦争回顧録」を読むと、革命の高揚感などは全くなく、信じられないような忍耐と冷静かつ強力な意志のもとに、現実社会へ立ち向かっていった様が理解できる。
 「読み書きができない兵士はいらない。なぜなら、たやすくだまされるからだ」
 そう言いながら、ゲリラ戦のさ中に本を読み、兵士に勉強を教え、また戦時の記録を執筆するゲバラ。情報が氾濫している現代においても、本当は何が正しいのか見極めるためには、彼ならたぶん同じことをするんだろうなと思った。