物理的・時間的制約のある仕事をしていると、この場では手にすることのできないものが欲しくなる。昨日も『今、ここにラフロイグがあったら気付け薬になるのになあ』って考えてた。
最初にこのシングルモルトウイスキーを教えてくれたのは、表町のほろよいマンションにある「Rosemary」っていうバーのママ。今から15年くらい前だったと思う。
「クセがあるけど、はまる味なのよ。あなたなら、たぶん気にいるわ」って言われて匂いを嗅ぐと、まさしく消毒薬!すでに結構酔っていたんだけど、この強烈な匂いと味で一気にテンションが上がる。氷も水もいらない、ストレートで味わう、男のウイスキー。
ママの予言は的中し、マッカランやボウモアなど、他のスコットランド・アイラ島産シングルモルトよりは、今でも「ラフロイグ10年」を好んで飲み続けている。
結局、昨日はラフロイグを口にしなかったんだけど、その代りに村上春樹の「もし僕らのことばがウイスキーであったなら」を書棚から引っ張り出してきた。スコットランドとアイルランドを訪ねた紀行本で、奥様の村上陽子さんが撮影した美しい写真入りで構成され、読んでるだけでウイスキーが飲みたくなる一冊。
村上春樹と同じルートでアイラ島とアイルランドを訪ね、パブでシングルモルトを飲みながらエミリー・ブロンテの「嵐が丘」を読み返す・・・こんなこと、できたらいいんだけどなぁ!