昨晩は、グリコのネオンサインで有名なえびす橋付近をうろつく。金曜の晩ということもありごった返す人ごみの中で、未曾有の不況をもろともせぬ大阪人の底知れぬパワーを感じる。
ここには人生に疲れているような人はいない。皆、何らかの歓びを求めてやってくる。アジアからの観光客が、自分たちよりもっとアジア的な混沌を露にする町並みの中で、盛んにシャッターを切っている。何が彼らを駆り立てるのか？そんなことを考えながらホテルへ戻った。
早朝、岡山に戻るために再度この周辺を歩く。金色に髪を染め、濃いアイラインをひいた若者たちが何事もなかったかのように街角にたたずんでいる。午前6時の地下鉄は、この街からこれから帰るのであろう奇抜な服装をした人たちであふれている。
その光景に不思議と違和感を覚えない。宴の終わりといった一抹の寂しさも感じない。再びここに戻ってくる。それは当たり前のこと。抑制から解き放たれる自由ではなく、欲望を肯定し自分でつかみ取る自由か・・そんなことを考えながら帰路についた。
