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As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

語り継がれるトリプルアクセル  

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 この二日間、女子フィギュアに纏わる議論が喧しい。かく言う僕も、結果に一喜一憂していた一人。ショートプログラム(SP)ではこの世に神様はいないのか!と暗澹たる気持ちになり、本日未明に浅田真央がフリーを完璧に滑り終わった後は思わず涙ぐんだ。羽生の金メダル、葛西の銀メダルには勿論拍手喝采を送ったけど、何よりも僕が見たかったのは浅田真央がオリンピックの場でトリプルアクセルを成功させる姿だったんだなと、今更ながらに気付かされた。
 トリプルアクセル(前向き姿勢から飛ぶ3回転半ジャンプ)の難しさに関しては、日本スケート連盟のウェブサイトに詳しい解説が書かれている。男子フィギュアでは4回転ジャンプを飛ぶことがほぼ必須条件になったために、トップレベルの選手であろうとも転倒やミスが相次いだ。逆に女子の場合、別にリスクの高いトリプルアクセルを敢えて飛ぶ必要はなかった。様々な3回転ジャンプを確実に決め、芸術点も含めて手堅い勝負に出た方が絶対有利だ。でも、彼女はトリプルアクセルにこだわり、天国と地獄、両方の光景を見ることになった。そして、確実とまで言われていたメダルを手にすることができなかった。
 しかし、SP後の絶望的状況から一夜明け、トリプルアクセルを含む難易度の高いジャンプを次々に成功させた姿は、他を圧倒するものがあった。過去の名スケーター達が彼女を称えるコメントを多数寄せたのは、アスリートとして金メダルよりも価値のある挑戦だと評価してのことだろう。今後、女子フィギュアの流れがどうなっていくかに関わらず、トリプルアクセルを成功させた稀代の女子スケーターとして長く語り継がれる存在になると僕は信じている。そして、お疲れ様と言いたいところではあるけど、できれば引退などせず、代名詞のジャンプに代わる卓越した表現力を備えたスケーターとして、新たな道を歩んで欲しいなと勝手に願っている。
 (注:浅田真央高橋大輔とともに、エキシビジョンの推薦枠に選ばれたようです!もちろん、金メダルの羽生、5位入賞の町田も。2月23日(日)午前1時30分からNHK総合で生放送予定!)