根っからの岡山人なのに、恥ずかしながら裸祭りで有名な西大寺観音院にはこれまで行ったことがなかった。近くて遠いところだし、灯台下暗しとも言える。先日たまたま西大寺に行く機会があり、その合間に観音院を訪ねてみた。
岡山の三大河川のひとつである吉井川のほとりに面していて、特にイベントのない観音院は静かな佇まい。驚いたのは境内を車で走行できること。さすがにちょっとバチあたりな感じがして、外に車を停めたけど。ただ、地元の人は自由に自転車で境内を通りすぎていく。有名なお寺なのに妙に気位が高い感じもなく、本当に地域に根ざしているよう。
本堂の内部は見学できるようになっており、裸祭りで宝木を投下される御福窓を中から開けることができる。有料だけど、本堂内にある貴重な文化財を近くから見られることもあり、是非とも見学をおすすめする。（内部の写真撮影は不可）
本堂の後方には神仏習合の鎮守堂である「牛玉所殿」がある。その奥殿がこちら。パワースポット的な雰囲気があり、何か願い事をするには最適。
その横にはかつて吉井川を行き来する高瀬舟が往来したであろう新堀川が流れている。今は沢山の船が係留されているが、水運が栄えた時期にはたいそう賑わっただろうと容易に想像することができる。現在の西大寺市街地はどちらかと言えば閑散としており、まさに「なつくさや つわものどもが ゆめのあと」っていう感じ。ただ、否応なしに移ろいゆくものが多い中で、これだけは守り通さないといけないというある種気概に満ちた思いは、西大寺の人々に脈々と受け継がれているように感じた。
