tetsuyaota.net

the article is randomly updated

Oui! Friends..

As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

なぜ日本人は落合博満が嫌いか?  

 中日ドラゴンズが昨晩セ・リーグ2連覇を決めた。一時は当時の首位ヤクルトと10ゲーム差あった中から奇跡の大逆転。思い起こせば、1996年に長島巨人が11.5ゲーム差をひっくり返し、最終ゲームで中日に勝利して「メークドラマ」を成し遂げた。この時、落合は巨人軍の一員として長嶋茂雄の胴上げに貢献。そして、今度は中日の監督としてその偉業に匹敵する仕事を成し遂げたのだ。
 しかし、メディアの扱いは思いの外冷たい。「勝つことが最大のファンサービス」とだけ語り、気の利いたコメントも出さない。日本シリーズでは完全試合を達成できる直前に投手交代を告げる。全ては勝利のため。そういう非情なまでの貪欲な姿勢が、判官贔屓の日本人には受け入れられない。監督としてあれだけの好成績を残しながら、契約期間満了という形式的理由によって親会社から解雇されるのは何故?そういう仕打ちを受けながら「プロとはこういうもの」と黙して何も語らない。
 元来巨人ファン(僕もそう)であるテリー伊藤が、そんな落合に対して熱いメッセージを送ったのが本書「なぜ日本人は落合博満が嫌いか?」。最初はタイトルに惹かれて読んでみたけど、なかなかの内容。「オレ流」を貫き通すには、かなりの覚悟がいる。その背景にあるのは単なる精神論ではなく、合理的な思考。優勝後のビールかけで、インタビューに応えて落合はこう語っていた。「これだけの練習をしてきたんだから、当たり前」。指揮官にそう言ってもらえる選手はたぶん幸せだろう。一人一人の地道な努力をすべてわかってくれていて、それを結果につなげてくれるのだから。
 理不尽な解雇通告に対して、中日の選手たちはここぞとばかり燃え上がったのだと思う。できれば、この名監督を日本一にさせてやって欲しい。落合を嫌う人たちに目にもの見せてやってくれ!