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Oui! Friends..

As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

スバル360

 デザイナーYさんと久々に会うために、スタジオ「S-Force」へ。駐車場には、オーナーのスバル360がチョコンと停めてあった。ドアには「たいむとりっぷ」の文字とお店の電話番号が。これだけ外装にPRしてある車に乗るのもちょっと勇気がいるだろうに(笑)。

 でも、オーナーのチョイスは間違っていない。決してレトロ趣味ではなく、スバル360フィアット500と同様なかなか先駆的な車だった。フォルクスワーゲン・ビートルやポルシェ911と同じく、リアエンジン・リアドライブのトランスミッション。そして独立したフレームを持たないフル・モノコック構造のボディ。エンジンは総排気量356mlの直列2気筒・2ストローク。今なら中型のオートバイへ搭載するくらいのエンジンだ。しかし、現在なら1リッターカーでも車重が1トンクラスの車がほとんどの中で、総重量385kgと約3分の1程度。非力だけど軽い分だけよく走る、そんな車だ。

 発売当時のパンフレット写真を見ると、1960年代の人々が車に対して抱く敬愛の念が伝わってくる。きちんとスーツを着てネクタイを締め、折り目正しく車に乗り込む、そういう一種ハレの場的な感じで。単なるコストダウンや妥協の産物ではなく、小さな車にありったけの夢を詰め込んでいるからこそ、こういうPRが成り立つんだろう。今の日本人が忘れかけているような過去にも、まだまだ学ぶことは沢山あるはず。本当のエコカーって、ここが出発点のように思うけど。