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As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

降り続く雨の後に


 西日本に二日間降り続いた雨。岡山市中心部でもダム放水を伝えるサイレンが鳴り響いた。東日本大震災から2ヶ月というこの時期に、単なる偶然とはいえないものを感じる。
 一夜明けて、岡山城の北東、後楽園脇を流れる旭川は河川敷が水没するほど増水していた。濁流とは言えないまでも流れる水の勢いは強く、今更ながら人間の手では御し難い自然の力を思い知らされる。
 歴史を紐解いてみれば、安土桃山時代、現在の岡山城を築城する際に外堀の代わりとして旭川は蛇行するように付け替えられた。そのため城下にはかえって洪水が頻発するようになり、その対策として江戸時代になり「百間川」と呼ばれる人工放水路が造成された。築城のために自然に抗することになった先人たちは様々な知恵を絞り、自らの手で俵を積んで新たな土手を造ったのだ。
 未だ放射能漏れの制御ができていない福島第一原発に対しても小手先の対策は通用しないだろう。国策という都合で原子力という御し難い魔物に手を出したのだから、粘り強く炉心を冷却していく方法を探していくしかない。自然という荒ぶる神の御心を沈めるのは容易なことではないだろうけど、降り続く雨もいつかは止むと信じて。それも自然なのだから。