先週後半に行ってきた青森紀行の第一弾。青森駅からバスで前泊地である酸ヶ湯温泉へ。ここは300年前より開かれていた温泉地で、八甲田山の西麓、標高900メートルの地点。八甲田山と言えば、北大路欣也と高倉健主演で大ヒットした映画を思い出す。日露戦争前に無謀な雪中行軍を行い、多くの遭難者を出した実話に基づいたもの。「天は我々を見放した」という名セリフで有名だ。
この日も3月とはいえ、まさに映画を彷彿とさせる積雪。降りしきる雪のため視界不良で、どこに八甲田山があるのやら全くわからない。予備知識なしにこんなところに来たら絶対遭難しそう。3メートルにも及ぶ積雪の中、幹線道路だけは除雪してあり、バスは何事もなかったかのように宿へ到着。(YouTubeに動画をアップしておいたので、興味ある方はご覧アレ)
酸ヶ湯温泉は湯治場としても有名で、木造の建物は歴史を感じさせる。昨年訪ねた貝掛温泉よりは大規模で、旅館棟と湯治棟とに分かれている。
これは、中庭から旅館棟を見たところ。
フロント近くの様子。いかにも雪国といった感じ。
酸ヶ湯温泉のウリは、「ヒバ千人風呂」という160畳もの広さを誇る大浴場だ。伝統的な混浴を守っていることでも知られている。チェックインした後、早速入ってみる。
男性脱衣所内。鄙びた温泉宿の風情が漂う。写真中に案内があるように、浴場内は撮影厳禁。なので、宿のパンフレット写真を。
硫黄の匂いがあたりに漂う、酸性硫黄泉。暗くて湯けむりが立ち込めていて、写真のようには浴場内を見渡すことは困難。まず、「冷の湯」(写真左)で湯浴びをした後に、「四分六分の湯(写真上)」につかり、その後、「熱の湯」(写真下)へ。湯は白濁しており、ぬるっとした質感。数分もたたない間に身体の芯から温まってくる。湯から上がり少し身体を冷やした後に、再び湯につかる。身体を洗う場所もなく、純粋に湯につかるのみ。温泉の効能を活かすためには、洗い流さない方がいいと言われており、伝統的な湯治を堪能できる。
部屋の中にはガスストーブのみ。でも、湯上り後は身体がほてり、外はマイナス7度の寒さなのに、浴衣一枚で十分なほど。午後に2回「ヒバ千人風呂」に入り、6時半から部屋食。
山菜を中心としたメニューで、量はたっぷり。寒いとこだから味は少し濃いめ。ただ、しっかり出汁の味が染みていて、どれも旨い。特に日本酒とはベストマッチ(笑)。これにご飯と味噌汁がついて、もうお腹いっぱいで大満足!その後、再び湯につかり、朝が早かったのもあってそのまま眠ってしまった。
翌日は朝6時に起きて、また湯につかる。その後6時45分からの朝食バイキングへ。どの惣菜もおいしかったけど、岩魚が特に旨かった〜。もちろん、ご飯と味噌汁はおかわりしました(笑)。
雪のために宿の外へ出ることもできず、ひたすら湯につかる・・何もしないことって本当に贅沢なんだなと感じつつ、酸ヶ湯温泉を早朝に出発した。