昨日、暇を見つけてシネマ・クレールへ。お目当ての映画は、「シャネル&ストラヴィンスキー」。
最近シャネルの創始者、ココ・シャネルを題材にした映画が相次いでいる。シャーリー・マクレーン主演の「ココ・シャネル」、若き日のココを描いた「ココ・アヴァン・シャネル」。そして、すでにデザイナーとしての名声を得てからの物語が「シャネル&ストラヴィンスキー」だ。
僕としてはシャネルに対して格別な興味があったわけではなく、ストラヴィンスキーのことが題材になった映画なんてこれまでなかったので、どちらかというと音楽や舞台、そして創作の背景に興味があって足を運んだというわけ。
冒頭は、問題作「春の祭典」が観客に酷評されるところから始まる。「アマデウス」ではモーツァルトが生きていた時代のオペラが忠実に再現されていたけど、20世紀初頭に数々の話題を呼んだディアギレフ率いるバレエ・リュスの雰囲気、そしてストラヴィンスキーの音楽が当時どれだけ前衛的であったかが手に取るようにわかる。
それと同じく、画面に登場する人物の中で、ココ・シャネルのスタイルは群を抜いている。現デザイナーのカール・ラガーフェルドが協力しているということもあるけど、現代にも通ずる斬新なファッションに身を包み、有名な香水No.5を作り上げるところなんかは、男の目から見ても惚れ惚れする。
物語自体は危険なラブ・ストーリー。これが、シャネルとストラヴィンスキーでなかったら、チャタレイ夫人の恋人みたいな感じ(特に上の写真などは)。しかし、芸術家としてのストラヴィンスキーの苦悩、そして最後にはココ・シャネルってやっぱり格好いい!って思わせてくれる演出。そのあたりは心憎いほどの出来栄えで、見終わった後からもじわじわ効いてくる。僕もストラヴィンスキーの音楽にすっかりはまっちゃったし。
シネマ・クレールでは今週の金曜日まで上映されてるので、興味のある方はどうぞ(注:一応R指定です)。