先週末、ちょっとホットな報道が。村上春樹のベストセラー「ノルウェイの森」が映画化されるのは知ってたけど、そのキャスティングが決まったとのこと。
主人公のワタナベには、松山ケンイチ。直子は、菊地凛子。緑は、水原希子という新人。キャスティングに関しては色々な意見があると思うけど、時間を見つけてもう一度原作を読み返してみた。
これ、1987年の初版本。上巻の方は、既に帯が無くなってる。何回も読んだから、本のカバーが少しふやけてるんだけど、今でもこの赤と緑の装丁を見ると、胸に迫るものがある。
当時は、主人公とほぼ同年代。一人で行動するのが好きだった僕は、ワタナベの気持ちがよくわかった。大学の授業にもあまり出てなくて、学生じゃない知り合いばかり。僕の周りには、いわゆる普通じゃないエキセントリックな人が溢れていた。
だから、直子が出てくるシーンを読むのが辛かった。いかにも自分の身の回りに同じようなことが起こりそうで、緑が登場するところばかりを繰り返し読んでた。ワタナベは絶対に緑と一緒にならなきゃダメだってね。自分にそう言い聞かせるように。
今読み返すと、直子の言葉を冷静に受け止めることができる。まるで、作中のレイコさんみたいに、もっとこうすればいいんじゃない?ってね。
そういう意味で、実際に映画化されたものを見てどんなふうに感じるか、今から楽しみ。たぶん、永沢さん、ハツミさん、レイコさんっていう脇役の方が、今の僕には重要になってるかもね。