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レオナール・フジタ展

 何か、OJF10月イベント前に駆け込みで書いてるようだけど、ずっと書こうと思いつつ、書けなかったことがあるんです。7月に札幌へ行ったとき、偶然見つけた展覧会。

 北海道立近代美術館でちょうど行われていた、「レオナール・フジタ展」です。もう札幌では終了して、今は宇都宮美術館、11月からは上野の森美術館、来年からは福岡市美術館せんだいメディアテークと続いていきます。

 レオナール・フジタ。フランスで最も有名な日本人画家であり、エコール・ド・パリを代表する画家の一人です。フランスに帰化し、後にカトリックの洗礼を受けてレオナール・フジタとなりましたが、日本名は藤田嗣治といいます。
 僕が初めてフジタの絵を見たのは、1981年11月、岡山で開催された「エコール・ド・パリ展」に行ったときでした。シャガールユトリロモディリアーニといった絵の中に、東洋的でありながら、独特のタッチで描かれた絵に目がとまりました。後に「すばらしき乳白色」と絶賛された裸婦像であったことを知りました。
 これまで、まとまった形でフジタの作品を見る機会はありませんでしたが、裸婦像ばかりではなく、エソンヌの大作群、そして宗教画に至るまで、フジタの足跡をたどることのできる展覧会です。作品の紹介は、オフィシャルサイトを見てもらうとして、このたびフジタの画集と一冊の文庫本を買いました。

藤田嗣治「異邦人」の生涯 (講談社文庫)

藤田嗣治「異邦人」の生涯 (講談社文庫)

 何の気なしに手にとって、札幌からの帰りの飛行機の中で読み始めたんだけど、自分の思っていたフジタ像とは全くことなる半生が描かれていました。西洋文化の中に飛び込みつつ、日本人としてのアイデンティーに苦しむ姿、その中で彼なりの独自なスタイルを確立しつつ、戦争に翻弄される・・
 世界的に有名でありながら、日本では十分な評価を受けているとは言い難いフジタ、しかしその中で誰よりも日本人らしく生きた姿に感動を覚えました。フジタの生きた時代背景など考えながらレオナール・フジタ展、もし機会があったら是非見てみてください。