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Oui! Friends..

As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

山寺へ

 山形編の続きがもう少しあるので書いておきますねー.銀山温泉を早朝に出発し,また学会場のある山形まで舞い戻ったわけですが,途中「山寺」へ立寄りました.この,「山寺」というのは,いわゆる人里離れた山の寺というのではなく,「山寺」という地名なんですね.松尾芭蕉が「奥の細道」で立ち寄った立石寺(りっしゃくじ)があるところです.

 正式には,宝珠山立石寺という名称で,貞観2年(西暦860年)に慈覚大師が開山しました.山里の急斜面にいくつかの建物が配置されており,奥の院まで歩いて昇っていきます.

 1015段の石段があり,一段昇る毎に欲望と汚れとを消滅させてくれるという言われています.現代に生きる我々が訪れるのに,ぴったりじゃないですか?

 新緑がとても美しく,本当に心が洗われるような思いがしました.

 芭蕉は,「奥の細道」の中でこのように書いてます

岩に巌を重ねて山とし,松柏年旧り,土石老いて苔滑らかに,岩上の院々扉を閉ぢて,物の音きこえず.
岸をめぐり,岩を這ひて,仏閣を拝し,佳景寂寞として心すみ行くのみおぼゆ.

閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声


 今回は,奥の細道に書いてあるくだりで言うと「尾花沢」と「立石寺」の二つをプリウスに乗って通過しましたが,ここは芭蕉の書いた文章では1ページにもならないんです.だけど,実際には少なくとも40km程度は歩かないといけないんですよね.もっとゆっくり,芭蕉の歩いた道をたどってみると,それぞれの俳句に込められた意味合いがよくわかるんじゃないかと,ほんの少し煩悩がなくなった頭で考えました...