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Oui! Friends..

As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

ジャズとの出会い(高校生編)  

 前回はちょっと番外編でしたが,いわゆるジャズのイベントづくりの話をずっと書いてきたのに,よく考えてみれば音楽とりわけジャズのことについて何にも書いてないんですよね!まあ,こういうジャズ論みたいなものは語り出したら長くなるのですが,今回は僕がジャズと出会ったときのことを書いてみたいと思います.

 僕が高校生の頃はいわゆるフュージョンと言われる音楽が全盛期で,ロックバンド上がりだった僕(高校一年,キーボード担当)は,ジェフ・ベック・グループのコピーを演奏していました.そのときに,別なバンドでギターを弾いていたK阪氏(高校生の頃から名字に氏をつけて呼ばれていた)から,うちのバンドに入らないかと誘われたのです.そのバンド名は「Rape II」(レイプツーと読む)で,こんな名前でよく人前に出ていたなあと思います(笑).(昔の8/8 Rock dayとかのバンドコンテストにも出てました)このバンドの初代ベーシストが.OJFポスターデザインを手がけているY氏だったんですね.

 で,このRape IIリーダーのK阪氏がただものではなく,ぱっと見た感じはまさにビーバップハイスクールで,とにかく僕は「誘われる」というよりは「脅される」といった表現が適当な感じで,バンドに加入しました.当初,アル・ディメオラなどを演奏してたのですが,K阪氏の好みもあって,徐々にジャズ的な指向が強くなりチック・コリアのReturn to Foreverなどを演奏するようになりました.ベースのY氏はどちらかというとロック指向が強かったため,その後バンドを脱退することになりました.

 まだ純情な高校生だった僕は,このK阪氏に悪いことから悪いことまで(笑)色々なことを教わりました.K阪氏は,彼のギターの師匠(と自分で勝手に思っていた)のU氏の影響を大きく受けており,二人でU氏の家におじゃましては膨大なジャズのレコードコレクションを色々聞かせてもらいました.ジョン・コルトレーンの名盤,ジャイアント・ステップスを聞いたのもこの頃です.

 U氏は,コルトレーンのソロを完全にギターでコピーしており,「こういうフレーズなんじゃ」とささやくように喋りながらギターを弾いてみせてくれました.僕らはまるで呪文のようなフレーズが次から次へといくらでも出てくる光景に唖然としました.K阪氏が(別に自分で弾けたわけではいのに),得意げに「ジャズはすげえじゃろう」と言い,僕も「ようわからんけど,ロックよりすげえ」と,なんだかよくわからないまま感動しました.思い出すと,すごく漫画みたいな話なのですが,当時は未知なるジャズという音楽にただ単純にわくわくしていたのです.