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Oui! Friends..

As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

半年が過ぎ    


 未曾有の被害を受けた東日本大震災から今日で半年。まだまだ復興への道筋がついているとは言い難い状況だけど、時間だけはいつの間にか過ぎていく。これからは準緊急的な対応ではなく、長期的な視点を持ってやっていく必要がある。「福島の再生なくして、日本の再生なし」本当にそのとおりだ。これを言葉だけのことにしてはならない。そして、原発の問題だけではなく、今必要な選択をしていかねば。
 自分のことを振り返れば、半年前に被災地で経験したことはその後の生き方に大きく影響している。ひとつだけ言えば、いわゆる「欲」というものがなくなった。もちろん、生きていくために根源的な欲求みたいなものはある。ただ、それ以上の俗にいう「欲望」みたいなものが抜け落ちた。この世の中に本当に必要なものっていったいどのくらいあるんだろう?って。
 小さなことで言えば、皆が節電をしたことで、不必要な電力消費に気がついた。でも、そうは言ってもどうしても削れないもの、無くせないものもある。それこそが、自分にとって大事なものじゃないか?そして、もう少し突っ込んで言うならば、自分にとって今は足りているものであっても、他の人に足らないものがあれば、喜んで自ら提供すべきではないかと。安穏であることに感謝し、自分にできるだけのことをする。誰のためでもない、この世で生きていくとはそういう道を歩いていくことなのだと。
 災害が幸福をもたらすことはない。しかし、そこから何かを学ぶことはできる。半年を過ぎて、今もまだ自分自身の有り様が問われ続けているし、何ができるのだろうかと考え続けている。