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As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

イブライム・フェレール〜ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ


 中国地方も例年より少し早めに梅雨入りし、何となくぐずついた天気が続いてる。来月のライブ用の選曲もしないといけないんだけど、それそっちのけで最近僕のヘビロテとなってるのがこのアルバム。映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」に出演したキューバの歌手イブライム・フェレールのソロアルバム。ジャケット写真の表情もいい味出してる。映画自体はライ・クーダーがプロデュースし、ヴィム・ベンダースが監督したもので、1999年に大ヒットしたのは記憶に新しいところ。サイドカーに乗ってハバナの旧市街を駆け抜けるライ・クーダー親子の印象的な映像から始まる。
 ジャズはヨーロッパとアフリカの音楽が北米・ニューオーリンズで融合したもの。それと同様に、中南米でも同様の出会いがあり独自の音楽が形成された。いわゆるラテン・ミュージックと一括りにされるんだけど、ブラジルのサンバ・ボサノヴァ、アルゼンチンのタンゴなどとは異なる音楽が、カリブ海に浮かぶ島々には存在する。
 その中心となるのがやはりキューバ。1950年代に全盛期を迎えたオールドファッション・キューバン・ミュージックは歓びと哀しみが混在したようなメロディーとリズムで構成され、一聴するだけですっと心の一番柔らかい部分に届いてくる。繰り返しが多用される中で、じんわりと心地良くもなるし。特に、伸びのあるイブライム・フェレールの声で歌われるボレロは絶品。キューバ人でなくても、ついほろっとしてしまう。案外梅雨入りのジメジメした日本にも不思議と合うんだな、これが。ちょっと、ラテンにハマっちゃうかなあ。