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Oui! Friends..

As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

コミットメント

 一昨日の晩、仙台から東北道を南下、郡山で磐越道に乗り換えて新潟から北陸道へ、名神高速米原ジャンクションで多重事故があったものの、地道に降りて迂回し、その後山陽道を通って無事岡山へ戻りました。皆様には色々とご声援・ご心配いただきありがとうございました。さすがに疲れていたため、昨日は寝たり起きたりの生活で、今日から本格的にいつもの仕事へ復帰しています。

 今回、被災地への医療支援というある意味公的な活動を、僕の個人的なブログに記載するかどうか、悩みました。医師としての仕事には高度な守秘義務を伴う案件が多く、通常は日々感じたことをウェブ上に発表することを差し控えているからです。しかし、この度は日本中の国民が被災地の正確な情報を求め、そして被災者の方々へ何とか役に立ちたいと考えていることが自分なりにわかっていました。被災地へ派遣される前の自分もまさにその一人でしたし。なので、ウェブ環境さえあれば、微々たる情報発信ができればと思った次第です。

 ただ、実際に現地へ入ってみると、言うに言えないこと、言いたくても言えないことが沢山ありました。被災地の惨状を目の当たりにすると、それだけで無力感を抱いてしまいます。そして、この先どうやっていったらいいんだろう?と被災していない自分さえ途方にくれてしまう始末です。その中で、被災しても力強く生きていこうとしている人々の姿に、逆に励まされるような思いがしました。かなり過酷なミッションではありましたが、そのおかげでプロとしての仕事を何とか遂行できたんだと思います。

 いつもの仕事に復帰してみて、これから先、自分にいったい何ができるだろう?と色々考えています。義援金や支援物資を送るといった具体的な活動は勿論のこと、その他にもたぶんできることはあるんじゃないだろうかと。

 ひとつだけ言えるのは、今回の震災を通じて明らかになった様々な問題から目を背けず、自分なりのやり方でコミットメントしていこうと考えています。ある種、社会的な視点をもって。そして、責任を持って発言することも必要かなと。発言することで自分の意見と対立する人もできるでしょうし、逆に情報不足で間違った見解を述べてしまうこともあるかもしれません。それでも、何か発言することが大事なのかなと思っています。

 兼ねてより予定していた明後日のソロピアノライブを行う前に、一応自分なりのけじめをつけておかねばと思い雑文を書きました。各個人が、自分の場所で自分なりによいと思ったことをしていけば、必ずいい方向へ繋がっていくはずと信じて。