幻想庭園出演ミュージシャンについても触れておかねば。昨年は自分もこのステージに出させてもらったからわかるんだけど、幻想庭園って独特の雰囲気がある。ライブハウスみたいな囲まれ感もないし、客席との距離も何となく遠い。大きな音を出せばそれなりの迫力があるんだけど、しっとり聴かせようと思うとかなり難しい。本当に自分の出した音がちゃんと届いているんだろうか？って不安になる。
だから、何食わぬ顔をしてアコースティックギターだけ携えてステージに上った渥美さん、これはかなりスゴイ。4ビートに限らず様々なリズムを弾き分け、何のギミックも使わず、必要なテンションノートがきちんと入ってる。
そして、今宵の主役、たなかりかさんは堂々たる歌いっぷり。色々な表情を持つ歌声、そしてR&Bにもつながるグルーヴ感。あえてスローな曲から入ってくるあたり、相当な自信があるんだと思う。二人のオリジナル曲もよかったし。10月16日には倉敷「クッキージャー」に再度来演するので、是非また聴いてみたい。
演奏が進むにつれて、客席が何となく揺れてくるのがわかる。知らず知らずのうちに、自然とジャズのノリに身を委ねている。そうそう、この感じ。別にジャズが好きであろうがなかろうが、いい演奏を聴くとそうなるでしょ？こういうサウンドを幻想庭園で聴きたかったんだって、ちょっと嬉しくなった。
