昨晩はGW中の当直。急患の対応に追われて忙しく過ごす。いつもなら、ただ疲れた〜ってなるだけなんだけど、比較的活力が残ってる。というのも、昼間に見た映画「スラムドッグ＄ミリオネア」に元気をもらったから。
この映画は、今年のアカデミー賞の作品賞をはじめ、各賞を総なめにしたことでも有名。低予算だし、鳴り物入りで制作された作品ではなかったものの、各地の映画祭とかで徐々に人気が高まり、最後にアカデミー賞まで行き着いた。
物語の骨格は比較的単純で明快。スラム出身の若者ジャマール（スラムドッグは、スラムの負け犬ってこと）が、クイズミリオネアに出演し、多額の賞金を手にする。しかし、満足な教育を受けていないジャマールがクイズの回答を知っているはずがないと嫌疑をかけられ、どうして答えがわかったか、その理由を語り始める。その中で、スラムドッグの壮絶な生き様が明らかとなり、ジャマールがただひとつ求めていたことがわかる。
ネタばれするとよくないから、このくらいにしておくけど、インドの社会的な問題を織り込みながら、圧倒的な映像美が画面に広がり、映画としてのストーリー性も申し分ない。そして、何よりもスラムに生きる人々の活力をきちんと描いていて、人間として生きる力を再認識させてくれる。
今の日本を振り返ってみると、自分も含めてずいぶん脆弱になっている。救急医療に従事すると特にそう感じる。生きるということはもっとシンプルで、かつ自ら努力してつかみ取るものではなかったか。楽しめる映画であるとともに、色々なことを考えさせてくれる。時間があれば是非映画館へ。
