アカデミー賞受賞式の行われるコダック・シアターからは、有名なハリウッド・サインが見える。レッド・カーペットを歩いていくと、その奥にこの山が見えてくる。
映画というのは、監督や俳優だけではなく、様々な部門の人が協力してできあがるもの。スクリーンに映し出される映像とは異なり、撮影そのものはかなり泥臭いものだと思う。それがわかっているからこそ、皆が目一杯ドレスアップしてレッド・カーペットを歩き、廻りも惜しみない称賛を送る。
国内の授賞式よりも、「おくりびと」のスタッフは明らかに輝いてみえた。形式的な賞の授与ではなく、映画を愛する人たちから本当に認められたからだろう。
表現者としての高いハードルを乗り越えたもの同士が、互いに認め合い祝福する。こういうのって、シンプルにいいなと思った。
