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Oui! Friends..

As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

Monk's Mood

 ギターのS君とのデュオ・リハーサルを重ねていくうちに、どちらかというとこれまであまり馴染みのなかったミュージシャンの演奏を真剣に聴くようになった。デュオ(二人組)だからこそ音数には限りがあり、低音域を担当するベースやリズムを出すドラムスがいないというのは、ジャズを演奏する上である意味不利になる。
 しかし、メロディーや和声の選び方を二人のコンビネーションの中で考えるいい機会になり、S君ともども『ジャズは奥が深いなあ』と語りあってる。そんな中で、改めて聴きなおしているのが、セロニアス・モンク

 この「Thelonius Himself」はソロピアノのアルバムで、モンクの持ち味である不協和音の響きが実に気持ちいい。一般的にクラシックの世界では濁る音は嫌われる。バッハの平均律クラヴィーア曲集に代表されるように、如何に音が美しく調和するかが一つのテーマだ。
 逆にジャズの世界では12音の平均律では表現できない音を前提としていて、例えばジャズに特徴的なブルーノートという5度フラット(半音下げ)の音にも、厳密に言えば平均律でいうフラットよりもまだ細かい音程の揺れがある。
 このアルバムには名曲「'Round Midnight」を、まるで自分の求める音を探しているかのように弾いているモンクのリハーサル演奏が収められている。こうやって試行錯誤を繰り返しながら、いわゆる「Monk's Mood」を創り上げていったんだなあと思う。
 最後にモンクの名言を。
「Jazz and Freedom go hand in hand」(ジャズと自由は手に手をとって進む)
 ピース。