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Oui! Friends..

As you know, "Pianist/Composer/Surgeon"

フィナーレ:ジャズバトル2007

 さて,いよいよOJF 2nd. stageを振り返るシリーズも最後になりましたね.個人的にはこの数日,OJFのイベント以外で色々なことがあったのですが,それはまた後日書きますね!では,ジャズバトル2007:渡辺香津美meets吉田美奈子山下洋輔3 Horns specialの演奏のスタートです.

 ステージ上に,渡辺香津美(g),グレッグ・リー(b),藤井学(ds)の3人が揃いました.いきなり,エレクトリックトリオの演奏でエンジン全開です.香津美さんもノリノリで,のけぞりながらソロを弾いてます!とにかく,すごい!の一言でした.
 前半の最後を飾るのは,ご存じ「Unicorn」です.チャッチャッ・・チャーララッ,・チャチャ・・チャーララッというなじみのあるリフとともに,縦横無尽にギターを弾きまくってくれます.もう,これだけで十分ですよと思わせてくれる演奏でした.
 続いて吉田美奈子さんの登場です.1〜2曲歌うだけなのかな?と思ってたら何の何の,香津美さんバンドの第2部という感じで,いっぱい歌ってくれました.香津美さんがアコースティックに持ち替えて,武満徹さんの「翼」をデュオで演奏してくれたときには,またまた目頭が熱くなってしまいました.「千の風になって」みたいに,紅白歌合戦で演奏してくれたら大ヒットするんじゃないかと思いましたね.この曲は「Guitar Renaissance III [翼]」に収められています.是非聴いてみてくださいね.
 
 (香津美さんの直筆サイン入りです.いいでしょ!!)
 吉田美奈子さんの「Liberty」はやはり感涙ものでしたね.何度聴いても泣けてくる感じで,これで香津美さんバンドの演奏は終了しました.

 これだけの演奏をされた後ですから,山下洋輔さんの演奏には否が応でも期待が高まりますよね.山下洋輔(p)さん率いる,柳原 旭(b),小笠原拓海(ds),米田裕也(as)の若いメンバーに加えて,岡山にもゆかりの深い川嶋哲郎(ts, ss, fl)さんと松本 治(tb)さんをゲストに迎えてのスペシャルバンドでした.
 ジャズmeetsアートの時と同様,ステージ上に山下洋輔さんが現れた瞬間に会場からは大きな拍手が沸き起こりました.もう,この一瞬で,山下洋輔さんのステージになりましたね.そして,聴衆に受けを狙うことなく,フリージャズまっしぐらの演奏で,これは〜〜大丈夫なんかなあ??と少し不安になったのですが,それは杞憂に終わりました.川嶋さんを始めそれぞれのミュージシャンのフリー系ソロが終わるたびに,いいタイミングで拍手が来るんですよ.テーマはあるし,いつかはそこに帰ってくるという予定調和みたいなものはありますが,やはりソロ自体は難解なのに..です.
 たぶん,聴衆の皆さんは僕みたいに頭でっかちじゃなくて,心の赴くままに素直に聴いていたんでしょうね.難しい,わからない,そういうんじゃなくて,すげぇ!おもろい!かっこえぇ!っていうような童心に戻ったような感覚だと思います.

 打ち上げで山下洋輔さんにこのことを話してみると,「どういう形にせよ,絶対に伝わるんだ.僕はそう信じて演奏してる」って言われてました.それから,思ったよりもあんまりバトルしてなかったように見えたんですけど?って尋ねたら(失礼!)
 「その必要はなかったよ.他のやつらが十分バトルしてたからね.あれでいいんだよ.皆すごかっただろ?」はっきりとは言われなかったですけど,微笑ましく他のミュージシャンを見守っていた,しかしバンドのサウンド自体は確かに山下洋輔のものだという自信にあふれた表情でした.

 演奏の最後は,「ミスティック・レイヤー」に収められている,セカンドライン系の「グルーヴィン・パレード」という楽しい曲でした.実はジャズバトル2007のCMのバックで流れていた曲なんですが,僕の廻りの人たちは「初めて聴くけどいい曲だなあ!」と口々に言ってました(ちょっと複雑(笑)).
 山下さんのバンドが終了して舞台は暗転しました.アンコールを求める会場の拍手は鳴り止みません!実はステージ上では楽器の準備なんかをしているので,これは何らかの演奏があるなというのはわかるはずなんですが,ずーっと皆さん拍手をし続けてくれてるんですね.

 そして,とうとう山下洋輔さん,渡辺香津美さん,吉田美奈子さんの3人がステージ上に姿を現しました.最後のスペシャルステージで演奏された曲はチャーリー・チャップリンの映画「モダン・タイムス」の挿入歌「スマイル」です.山下さんのピアノ,香津美さんのアコースティックギターをバックに,吉田美奈子さんが静かに歌い上げてコンサートは終了しました.
 ミュージシャンの演奏もさることながら,ミュージシャンをその気にさせるのはやはり聴衆の皆様です.演奏する側,聴く側,サポートする側が一緒になって創りあげることができた素晴らしいコンサートであったと思います.

 最後に,打ち上げの会場で上機嫌な山下洋輔さんとOJFの面々の写真をアップしておきます.皆,いい表情をしてるでしょ?

 OJFに参加してくれた一人一人のおかげで,全イベントを無事に終了できました.出演者の皆さん,OJF実行委員・ボランティアの方々,そして演奏を聴きにきてくれた皆様,本当にありがとうございました.また,別な機会に皆様とお会いできるのを楽しみにしています.
 
 改めて,音楽,そしてジャズの神様に感謝です!! Tetsuya Ota..